コントロール

本当に強そうな人ほど鬱になる

強さ故の弱さ

本当に強い人ほど、許せない納得できないことと正面から戦う。

うつ病になりやすい人の特徴と言えるでしょう。

つまり、間違ったことや正義でない事柄に対しては決して妥協せず、また妥協が出来ず、正しいと思ったことにはとことん体を張って戦ってしまうのです。

妥協してしまう自分を許すことも出来ないため、正面からぶつかっていってしまうのです。

何か壁に突き当たると、すぐ逃げ道やわき道を探し始める人はうつ病になりにくい人です。

 

まっすぐ壁に立ち向かう人がうつ病になりやすい人であることはご理解いただけたと思います。しかも、立ちふさがる壁が理不尽であればあるほど、逃げず避けず果敢に立ち向かう人を強い人といってよいはずです。

ですが、とても真面目で誠実、繊細で責任感が強いタイプは、実は強くて弱いタイプであり、強さゆえの弱さの表れでもあるです。

リーダーが不退転の決意を示し、悪とは絶対に妥協しないという姿勢をはっきり示すことで、国民は生活の窮乏や襲いかかる死の恐怖にも耐えて戦い抜いたという事例も過去の戦争のリーダーが示しています。

そんな強いリーダーシップは、やはり、自ら心の試練を克服したから生まれたのではないでしょうか。「うつ」のさなかでの自分の心との苦しい戦い、そして自分の心との勝利の体験があったから、強いリーダーシップをとっていくことができたのだと思います。

そうした人だからこそ、相手がいかに強かろうと、許せないこと納得できないことと正面から戦い、また国民もそれを強く支持してきたものでしょう。

自分自身との戦い

うつ病になってしまった人は、自分に負けたように思います。自分自身に対しても「情けない」「ふがいない」「無力だ」と感じてしまったのです。その、ふがいなく情けない、無力な自分は、もう何も出来ないと思ってしまうのです。

鬱になると、非常に気弱になります。何もできず何も手につかず、恐怖に打ち震えてばかりになっているのです。身の回りの物すべてが自分に何かを言うようで、それでいて自分に対して大きな壁を感じるほどの隔たりを覚えるのです。

この人との隔たりは、自分ではどうにもできない大きな壁であり、もう自分ではどうすることも出来ない障害に変化していくのです。

徐々にその障害は自分の中で大きく、硬く、頑丈なものへと変わり、暗闇へと閉じ込められていくような気持に誘われていくのです。もはやそれは、自分ではコントロールの効かない世界に込んでしまったかのような状況なのです。

それは孤独な道へと通じていて、絶望へと追い込んでいきます。

その孤独と絶望が、心に根付いて大きく自分を揺さぶるのです。

それはとても長い時間、恐怖と孤独と絶望の戦いなのです。

 

寛解と強さ

しかしそれが次第に治りはじめると、自分自身に対して一生懸命に立ち向かえた自信を感じます。なによりも難しい心のコントロールを、自分で取り戻せた強さを感じます。

自分の心と向き合うのは、とても怖い、嫌なことですが、そうした体験を経てきた人は、どんなことがあっても逃げず避けずに、正面から自分自身と向き合う強さを身につけてきた人といえるのです。そんな人こそ、「本当に強い人」なのではないでしょうか。

誰にも理解されない苦しみは、耐え難いものです。

悲鳴を上げながら泣き叫んでいるのに、誰にも気が付いてもらえない。どんなにどんなに泣いたとしても気づいてもらえない。私の横を通りすぎたのに気づいてもらえない。・・・そんな感じです。

どん底を這い上がってきたからこそ見える世界があり、どん底を潜り抜けてきたからこそ知っている世界がある。・・・だから強くなれたのです。